席を譲られることと譲ること
ある日 私は市バスに乗りました
空いている席がなかったので
吊り革につかまるとバスは発車しました
私の前に若い外国人カップルが
座っておられたのですが
そのお二人のうちの男性の方が私に気づくと
すぐに立ち上がって「どうぞ」と
私に席を譲ろうとしてくださいました
私は咄嗟に「大丈夫です」と言葉を発すると同時に
笑顔で手を横に振って お断りをしていました
その方は少し変な顔をされて 席に着かれました
次のバス停で ご高齢の男性が乗ってこられたのですが
その男性がそのご高齢の男性に席を譲ることは
ありませんでした そのことから その男性が
私が女性だから私に席を譲ろうとしてくださったことに
ようやく気づいたのでした
地球上の多くの国では 女性に席を譲ることや
車やエレベーターに乗る際に女性を先にして
男性は後からというのが当たり前です
あの若いカップルのお国もきっとそうなのでしょう
私はあの時「ありがとう」と感謝の言葉を述べて
座るべきだったと 後にとても後悔しました
このごろ電車やバスに乗ると
「お年寄りやお体の不自由な方に
席をお譲りくださいますようお願いいたします」
というアナウンスをいつも耳にします
席を譲られること
それは譲ってくださる方の優しいお気持ちの現れです
席を譲られた時には その方のお気持ちに感謝して
「自分はまだ年寄ではない」などと思っていても
そんなことはどうでもよいことで 素直に座らせてただいて
逆に 席を譲るべき時には迷わず
「断られたらカッコ悪い」などと考えずに
やはり素直な気持ちで譲って差し上げたいですね
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